特別コラム
監督、新システム「ニオイディープスnioi/deeps」を語る


こんにちは、世界の黒澤と申します。

「匂い」はこのゲームのとても大事な要素でした。

冬愛ちゃんは、自分が大好きで大好きで愛してしまっている、
三色網戸。先生の『学校で性春!』の登場人物「神崎綾音ちゃん」を
上回るキャラクターを作ろう、との想いから産みだした女の子です。

陰湿、ネクラ、足りてない、などたくさんの要素を詰め込んだキャラなのですが、
性格的な特徴として最重要だったのが、「だらしない」「育ちが悪い」というところです。
自分だけが愛してあげられるような、変な娘。ほっとけない娘。
体つきがムチムチしているのも、見た目の好みから始まったわけではなく、だらしない性格を表すための記号でした。

食べ物のカスが鞄の中にたまってたり…服に醤油染みがついてたり……
部屋に何度も食べ物こぼしちゃったり……。
で、そういう娘って、近づくと結構匂いがするんです。


食べ物の匂いと女の子の体臭が入り交じって……
そんなに嫌じゃない匂い(ここ、重要です)!! 焼き肉とかご飯みたいなニオイ。
(シナリオでも「嫌な匂い」に感じないように、細かく修正を施しています。)

そのニオイを存分に表したいと思ったときに、エフェクトを入れたい、と思いました。

匂いがないと、冬愛ちゃんのだらしなさやあさましさは表現できない!と思ったんですね。

最初は、CGの中にニオイを書き込んでいました。吐息みたいな感じで。

個人的に、元から匂い系のCGは結構大好物で、ゲームに取り入れたいと思ってました。
ゲームだとあまり臭い表現があるゲームが少ないので(汗濡れ少女美咲は貴重でしたね)
たくさんの好きな作家さんのCGを見て、ゲームじゃない、イラスト的な匂い表現に近付けてもらいました。

でも、匂いって濃くすると絵の上に描き込んだ時に、元のCGが見えなくなっちゃうんです。
背景まで細かく描かれたグラフィックがもったいない……との思いから悩むこと2週間、
エフェクトアニメにしようと考え、追加仕様書をスクリプターさんに持ち込みました。

開発期間的にギリギリだったので相当ドキドキしてました。
動かしやすいように考えてはいましたが、仕様書には自分の好みを詰め込みまくって複雑化していたたので、
実装の可能性は相当低かったのです。

だけど優秀なスクリプターさんは、一発で仕様を理解し、形にしてくれました。
サンプルスクリプトがもうすでにいい感じで、これは絶対ゲームに入れたいと思いましたね。

グラフィッカーさんと相談して匂いエフェクト用のCGを別書き出しで作ることにしました。
スクリプトやアニメの具合をチーム全員でチェック。
最初はもっと早かったアニメパターンを、「匂いに重みを持たせたい」というデバッガーさんの天才的意見で
ゆっくりと、もったりと動かす形に変更。この微調整にも相当時間がかかっています。

湯気やニオイの形は、変形前提なので、最初にCGに入れていたものから、全部作り直してもらいました……。(すみません!)
あげてもらったのは、差分ごとに匂いエフェクトの形が全部違うという懲りようで、
一時データがプログラムの許容限界を超えて他のバグを併発してしまい、
スクリプターさん達が原因を探すのに大変だったというエピソードが……。

システムは優秀なプログラマーさんが作ってくれているんですが、どうしても匂いアニメはプレイPCに負荷がかかってしまうので、
プレイヤーさんのいろいろなPC環境に対応するための、エフェクトのオンオフ機能も必要でした。

でも、どうせなら濃度を変えてプレイしたい! スライダーを強引につけて対応してもらいました。

で、調整してみると……濃度ごとに、全然印象が違って見えるんですよ!
これはびっくりしました。どの冬愛ちゃんもかわいい…。匂いエフェクトが消えた
冬愛ちゃんの、なんと清楚可憐なことか!(これはこれで好きです)

でも、オススメはやっぱり最高濃度ですね! 正直めちゃくちゃ興奮できます。

冬愛ちゃんが発する匂いだと思ってモニタの近くで思いっきり息を吸い込んで欲しい!
部屋で豚バラ肉お醤油煮(チャーシューですね)を煮込みながらプレイするのが最高環境ですね!
仕事終わって家に帰ったら親が豚肉煮込んでて、「あ、冬愛ちゃんのニオイだ……」って思いました。

こうして生まれた匂いエフェクト「ニオイディプスnioi/deeps」は、今このゲームの新たな推しポイントとして
胸を張って告知できます!

ぜひ、冬愛ちゃんをプレイして、くっさい冬愛ちゃんにハァハァしてください!!

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